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あわらでハタラコ。vol.26(山崎さん)

最終更新日 2015年1月15日| ページID 006339 印刷する

市内に勤務する若者にリレー形式で話を聞くコーナー「ハタラコ。」

あわらに住み、地元で働くことに魅力を感じている皆さんに、県外に出てみて気付いた地元の温かさや、住み続けているから感じるあわらの居心地の良さなどを教えていただきます。また、一生懸命働く日々の中で皆さんが感じていることなどをお伝えし、「働くこと」や「仕事」とはどういうことか一緒に考えていきたいと思います。普段あまり考えることもないかもしれませんが、この機会に少しだけ自身を振り返ってみませんか。

山崎 将輝 さん (山崎建具店 専務)

ハタラコ。第26回目は、山崎建具店の3代目、山崎さん(33)をご紹介します。生家の建具店で働いて今年で13年目、子どものころから工作が好きだったという山崎さんに、建具店の仕事やこれからのことなどお話しいただきました。

山崎さん   

建具とは

扉、戸、障子、襖、欄間などを建具(たてぐ)と呼びますが、その製造やリフォームをしています。手作りですので、どれも1点もので、同じものはありません。

幼い頃から工作好き

祖父の代から3代続く建具店で、現在は父と私で店を営んでいます。
工作的なものが昔から好きで、小学生の頃は店を遊び場にして端材(木材の切れ端)で遊んでいました。夏休みの宿題も端材で作りました。中学生の頃には、父親の手伝いを普通にしていました。高校生になると、自分の部屋に棚やテレビの台が欲しいと思ったら、自分で作りましたね。

建具店を継ぐ

私が建具店を継ぐことは、家の中で昔から決まっていたことでしたが、高校3年生で進路を選ぶとき、進学ではなく就職で、就職するなら建具業が良いと、改めて家業を継ごうと決めました。父親から面と向かって言われたことはありませんが、喜んでもらえたのではないかと思います。

社会勉強

高校を卒業してから2年間、株式会社土田(ハタラコ。Vol.10で紹介) に勤めました。他の会社を知らずに、高校を卒業してそのまま自分の家で働き始めるのは良くないと思っていたので、社会勉強も兼ねてお世話になりました。社長の息子さんは同級生です(ハタラコ。Vol.10で紹介した土田さん) 。あのころ覚えたガラスの扱い方や網戸の張り方は今でも生かされています。

一人前になる

家に戻ってからは父親について仕事を覚えました。独り立ちするまで5年くらいかかりましたね。親の後ろを付いていくだけというのも嫌だったし、自分の販路を持ちたいとも思っていました。今年で13年目ですが、一生懸命だったので、あっという間だった気がします。最近は私にも声が掛かるようになってうれしいですね。

地元で働いて良かったこと

子どものころからの知り合いが多く、何かあったら声をかけてくれます。 地域に根付いて仕事をしているなと感じます。

地元での役割

山崎建具店は金津の町中、天王区にあります。夏の金津まつりでは、建具店という職業柄、山車の当番年は山車作りを、その他の年は本陣飾り物の製作を担当しています。次の本陣飾り物の題材を何にするか、地区では年中話題になっていますが、毎年、年が明けたら本格化し、5月には製作を始めます。

仕事の好きなところ

しゃべることは得意ではないですが、仕事を始めてから人とふれあうことが楽しくなりました。障子の張り替えに行って、おじいちゃんやおばあちゃんとお話するのも好きですね。

仕事でうれしいこと

お客さまからの難しい注文に応えるものが出来たときは達成感があります。人づてに紹介される仕事もありますが、自分なら出来るだろうと信頼してもらえるのはとてもうれしいし、ありがたいですね。

建具の他にも

建具の他に製作を依頼されるものもあります。 デザイン持込で依頼されることが多いです。鹿の角の加工を依頼されたときは、奈良産の鹿の角がアクセサリーやバッグの取っ手になりました。あのバッグはヨーロッパへ渡ったと聞きました。行灯を作っていた時期もあります。最近では仏具を作りましたが、こちらは東京へ行きましたね。

仕事をするとき心掛けていること

ひとつは、お客さまに喜んでもらうこと。お客さまに喜んでもらうのは大変なことだと思います。「こうして欲しい」と明確な希望があるお客さまは良いのですが、「かっこよくしてくれ」「良いようにしてくれ」という注文は難しいですね。自分に任された仕事であっても、自分の好きなようにはできないので、お客さまに喜ばれるものを作るには、 お客さまの好みや希望などをしっかりと確認しておくことが大切です。
もうひとつは、自分が納得したものを納めること。手抜きはしたくありません。いついつまでに仕上げてくれという仕事がほとんどですが、お客さまにより良いものを届けたいですね。 

山崎さんにとって「働く」とは

遊ぶために働くと言ってみたいですが。私が建具店をしているのは、昔から決まっていた道で、こうして働いている自分に違和感はありません。これまでもそうだったように、がんばるしかないですね。 

山崎さんのこれから

仕事を少し拡大したいと思っています。今でも人が足りない状況で、あまり大きくすると大変なので、自分の目が届く範囲で手を広げたいと思います。
小学校3年生の息子がいます。自分の子どもの頃と同じように、端材で遊んだり、仕事を手伝ったりして、将来は店を継ぐと言っています。親としてはうれしくもありますが、やめておけと言うこともあります。建築関係の仕事の将来は必ずしも明るいとは言えません。建具に関しても、既製品に押されているし、和室が減っているので、昔に比べて仕事全体の量が減っています。その分、建具の他に手を広げるようにしていますが、息子の世代になったときにどうなっているか不安ですね。自分がある程度、道を作っておけば良いのかとも思いますので、やっぱり頑張るしかないですね。

あわら市へのメッセージ

もっと盛り上げて欲しい。私たちも盛り上げていかないといけませんね。

これから就職する人へ

視野を狭めないで、いろんな方向から見てみることも大切です。会社勤めの友人から聞いた話では、今の若い子は雪が降ると遅刻してくるので、前日に遅刻しないように念押ししているそうです。空気を読むではないですが、周りを見ることも大切。もっとがむしゃらさがあっても良いかなと思います。

勤務先紹介

山崎建具店   山崎さん(仕事風景)

山崎建具店

住所 〒919-0632 福井県あわら市春宮二丁目10番38号
電話番号 0776-73-0538
営業時間 午前8時~午後6時
定休日 日曜日

障子やふすまを張り替えたいと思ったらご連絡ください。また、建具のほかに、木を使った工作物の製作も承ります。「こういうものが欲しい」というご希望がありましたら、気軽に声を掛けてください。

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お問い合わせ先

商工労働課 商工労働グループ

電話番号:0776-73-8030 ファックス:0776-73-1350
メール:syouko@city.awara.lg.jp