あわらでハタラコ。vol.22(吉川さん)
市内に勤務する若者にリレー形式で話を聞くコーナー「ハタラコ。」
あわらに住み、地元で働くことに魅力を感じている皆さんに、県外に出てみて気付いた地元の温かさや、住み続けているから感じるあわらの居心地の良さなどを教えていただきます。また、一生懸命働く日々の中で皆さんが感じていることなどをお伝えし、「働くこと」や「仕事」とはどういうことかを一緒に考えていきたいと思います。普段はあまり考えることもないかもしれませんが、この機会に少しだけ自身を振り返ってみませんか。
吉川 美奈 さん (医療法人至捷会 木村病院)
ハタラコ。第22回目は、木村病院に勤めて12年目の管理栄養士の吉川さん(32)をご紹介します。管理栄養士として日々ステップアップを心掛ける吉川さんに、管理栄養士の仕事やあわら市への思いをお話しいただきました。
栄養部の一員です
管理栄養士は、栄養士や調理師と一緒に栄養部に所属しています。栄養部では、患者さんに応じた食事を、朝昼晩、365日休まずに用意して、食事の面から患者さんの健康を支えています。患者さんの症状改善を目標に、患者さん一人一人の栄養状態を把握して、適切な食事を提供するなど、栄養管理を行っています。
管理栄養士の仕事
病院の管理栄養士の仕事は多岐にわたります。木村病院には現在6人の管理栄養士がいますが、経験年数を考慮して仕事を分担し、病棟業務と調理業務に3人ずつ従事しています。行事食のときなどは、病棟担当の管理栄養士も調理に入ることがあります。私は病棟業務の方で、入院患者の対応やNSTを担当しています。 病院の中で普段はあまり目立たないかもしれませんが、いないと困るポジションです。
- 入院患者さんの献立を立てる。
- 病院食を調理する。
- 食事が衛生的に作られているかどうか調理の様子を確認・指導する。
- 食事の提供状況を確認する。
- 食事について患者さん本人と話して改善する。
- 病棟や外来の患者さんに栄養指導を行う。
- NST(栄養サポートチーム)の一員として活動する。 など
管理栄養士を目指して
地元短大卒業後、栄養士として木村病院に就職しました。在学中に実習でお世話になった病院の管理栄養士さんに憧れて目指そうと決心しました。管理栄養士の魅力は、栄養指導ができることです。食事内容を聞き取って、患者さんに合った食べ方や調理の工夫、患者さん自身ができることなど、栄養状態の改善に向けたアドバイスをします。栄養士として実務を2年積み、管理栄養士国家試験を受験しました。
天職
栄養士として就職した1年目は、調理師と一緒に病院食の調理を担当しました。学生のときにも集団調理の実習はありましたが、現場では本当に右も左もわからない状態でした。調理を担当していた頃は朝6時までに、病棟担当の現在は患者さんが朝食を食べる様子を見るため7時半には職場にいます。朝に強くないとなれない職業ですので、その点、私にとって天職だと思います。
職場の好きなところ
通勤しやすいところが良いですね。渋滞もなく、冬もそれほど雪が降らないので、朝早い職場には良いことだと思います。また、患者さんが自分の孫やお嫁さんに話し掛けるように話してくれるので親しみやすく、私も家族のように接することができます。職場の人間関係も非常に良いです。厳しくもあり、優しくもある。給料や休暇、福利厚生も大事ですが、職場はやはり人間関係が重要です。
仕事でうれしいこと
患者さんに食事を食べてもらって「すごく美味しい」と喜ばれたときや、栄養指導をしたときに理解していただいて「ありがとう」と感謝されるときなど。感謝されるためにしているわけではないですが、とてもうれしく、励みになります。そのためにも、いかに食べてもらうか、どんな食事だったら食べられるのか、日々の積み重ねを大事にしています。
仕事をするときに心掛けていること
1つめは、元気よく自分から挨拶すること。自分から挨拶すると、たいてい挨拶を返してもらえるので、患者さんと話しやすくなります。また、大きな声と笑顔であいさつをすると顔を覚えてもらいやすいですね。まず顔を覚えてもらい、名前を覚えてもらって信頼関係が出来ていくので、あいさつは働くうえで大事なことだと思います。
2つめは、昨日より今日、今日より明日、日々ステップアップを心掛けることです。家に帰って子どもたちが寝たあとでも、今日一日の仕事を振り返って、どうしたらもう少しよくできるか、効率よくできるかを考えるようにしています。
吉川さんにとって「働く」とは
独身のときは、自分のために働くという意識しかなかったですが、結婚して子どもが生まれてからは、家族や子どものためという意識が出来ました。基本的に人に尽くすことが好きで、必要とされたいという気持ちが働くことで満たされます。また、子どもといる時間と仕事をしている時間、両方でそれぞれのストレスを発散できます。自分のためという意味では、仕事をすることで、「なになにちゃんのお母さん」だけではない自分の存在価値を認められていると感じています。
これからの自分
リーダー的な存在になれるように努力します。業務を改善していけるような能力が必要だと感じています。身近に良い先輩がいるので、日々コミュニケーションを取りながら、その人が培ってきた経験をいただくような形で学んでいけたらと思っています。
これから就職する人へ
仕事は自身を成長させてくれます。学生時代とは比べものにならないくらい、いろんな人と出会い、いろんな人の目線を学び、良い刺激を受けます。人に認められたり、勉強しているだけでは得られないものがたくさんあります。たまには怒られたり、悲しいこともありますが、それも人生。働くことで、より濃い人生が歩めます。
県外に住んでいたこともあるので思うのですが、県外から嫁いで来た女性は、福井の共働きの多さに驚いている方もいるかもしれません。働いて良いこともたくさんあるので、働きに出ることをおすすめします。働く人が増えるとあわら市もますます発展しますね。
あわらで働く魅力
結婚を機にあわら市に住むようになりましたが、子育てしながら仕事ができる環境が魅力ですね。待機児童ゼロで、保育所の先生方も頑張っていて、朝早くから夜遅くまで子どもを預かってもらえるので、市外へ働きに出ているお母さん方も安心して利用できます。休日でも子どもを預けられるシステム(すみずみ子育てサポート事業)があるところもうれしいですね。
あわらのおすすめ
芦湯が良いですね。子どもがいても行きやすく、浴槽によってお湯の温度が違うのも入りやすくてうれしいです。
あわら市へのメッセージ
高齢者が多くて若者が少ない印象があります。若い人にもっとたくさん住んでもらうように何かしないと。今のあわら市だと、若い人が魅力を感じる職業、たとえば、ファッション関係の店やカフェで働きたいと思っても、勤める場所がないのが現状だと思います。雇用のことも考えて、そういうところが出来ると良いですね。福井県の端っこなので難しいところもあるかもしれませんが、頑張って欲しいです。また、魅力的なお店が実はたくさんあるのに、地元の人だけ知っている、知る人ぞ知るというような感じでもったいないと思います。
勤務先紹介
医療法人 至捷会 木村病院
住所 〒919-0634 福井県あわら市北金津57-25
電話番号 0776-73-3323
ホームページ http://kimura-hospital.jp/ 採用情報も掲載されています。
木村病院はあわら市の中核病院として、他の医療機関や介護施設、居宅サービス事業との連携を取りながら、地域住民がより健康で安心して生活できる環境づくりの一助となることを目指しています。
NST(栄養サポートチーム)
木村病院ではチーム医療に取り組んでいますが、NST(栄養サポートチーム)もその一つです。医師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士、理学療法士、薬剤師、検査技師、事務職などが集まり、患者さんの状態を悪い状態から良い状態へ持っていくには栄養面でどうしたら良いかを話し合っています。
詳しくは、病院HPに掲載されている「木村病院だより 2008年春号」をご覧ください。(新しいウインドウが開きます)
管理栄養士としてハタラコ。
管理栄養士になるには
栄養士の養成施設を卒業して栄養士として実務経験を積んで国家試験を受ける方法と、管理栄養士の養成施設を卒業して栄養士の資格を得て実務経験なしで国家試験を受ける方法があります。試験は出題数も多く、合格率はあまり高くありません。チャンスは1年に1回。3月下旬に試験があるため、合否が分かるのは5月から6月ごろで、4月に採用されても不合格の場合はそれまでということもあります。
管理栄養士の日常
スーパーで買い物をするときに、栄養表示や成分、原材料の確認は、管理栄養士でなくても女性だとよくすることだと思います。私の場合、患者さんの話に出てきた知らない調味料を探してみたり、どんなお総菜を売っているか見るようにしています。木村病院は地元の患者さんが来院されることが多いので、 患者さんの話でどこそこのお総菜をよく買うという話をされた場合、 かわりに良いお総菜をおすすめできるなど、知っていることで対応もとれます。地元で生活している強みですね。
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