生活保護制度について
制度の目的
日本国憲法において、国民に基本的人権のひとつとして生存権を保障し、だれでも最低生活の保障を権利として主張することができます。この憲法によって保障される生存権を実現するための制度のひとつとして制定されたのが生活保護法です。生活保護制度は、単に生活に困窮している国民に対して最低限度の生活を保障するということだけでなく、さらに積極的に自立の助長を図ることを目的としています。国民の権利としての生活保護を等しく、正しく行うため、いくつかの決まりが定められており、これらをよく理解することが大切です。
制度の基本原理
制度を運用するにあたり、国民が等しく理解し遵守しなければならない4つの基本原理が定められています。
- 国家責任による最低生活保障の原理
日本国憲法第25条の規定する理念に基づき、生活保護法では国がその直接の責任において、生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに自立を助長することを目的とすることを規定しています。この原理は法の目的を規定した最も根本的な原理です。 - 保護請求権無差別平等の原理
すべての国民は、この法律の定める要件を満たす限り保護を無差別平等に受けることができると規定し、性別・社会的身分などにより差別することはありません。 - 健康で文化的な最低生活保障の原理
この制度で保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならないと規定しております。 - 保護の補足性の原理
国民側において保護を受けるために守るべき最小限の要件を規定した原理です。保護に要する経費は税金で賄われていることなどから、保護を受けるためには各自がそのもてる能力に応じて最善の努力をすることが先決であり、そのような努力をしてもなおかつ最低生活が営めない場合に、はじめて保護が行われます。
生活保護実施上の原則
生活保護法では、制度を具体的に実施する場合の原則が定められています。
- 申請保護の原則
生活困窮する国民には、法律上保護を請求する権利が保障されていますが、法は申請行為を前提としてその権利の実現を図ることを原則としています。 - 基準及び程度の原則
保護の具体的な実施にあたり、厚生労働大臣の定める基準により要保護者の需要を基にし、金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものと規定されています。 - 必要即応の原則
保護が要保護者の年齢別、健康状態といった個々の事情を考慮した上で、制度が機械的に運用をすることをいましめ 有効かつ適切に行われるべきことを規定しています。 - 世帯単位の原則
生活困窮という状態において、生計を同一にしている世帯全体により保護の要否や程度を判断して実施することを原則としています。
実施機関・相談
生活保護を担当する第一線の行政機関として、あわら市福祉事務所が設置されております。
生活に何か思わぬことが起こったり困ったことに出会ったときは、福祉事務所のケースワーカーにご相談ください。
相談により、生活保護の中で解決できない場合でも他の法律や制度又は施設などから何か役に立つようなものがあるかなど、相談者の身になって解決できる方法を考えます。
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