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あわらでハタラコ。vol.38(佐々木さん)

最終更新日 2016年1月15日| ページID 007280 印刷する

市内で働いている皆さんに、自分の職場を紹介していただくコーナー「あわらでハタラコ。」

あわらで働くことに魅力を感じている皆さんに、県外に出てみて(県外から来て) 気付いたあわらの温かさや、住み続けているから感じるあわらの居心地の良さなどを教えていただきます。また、一生懸命働く日々の中で皆さんが感じていることなどをお伝えし、「働くこと」や「仕事」とはどういうことかを一緒に考えていきたいと思います。普段はあまり考えることもないかもしれませんが、この機会に少しだけ自身を振り返ってみるのも良いかもしれませんね。

佐々木 亨 さん (ゆけむり珈琲店 代表) 

ハタラコ。第38回目は、今年7月、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅前、湯の花公園の向かいにオープンした「ゆけむり珈琲店」代表、佐々木さん(49)をご紹介します。
以前は湯のまち広場や市内のイベントでクレープの移動販売をされていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
自分の店を構えるならと、コーヒー専門店を選んだ佐々木さんに、コーヒーやあわらの魅力をお話しいただきました。

佐々木さん
佐々木さん
佐々木さん ドリップ中
ただいまドリップ中


 

コーヒー店の仕事

店ではコーヒー全般を担当しています。スイーツは嫁さんの担当です。生豆を仕入れて焙煎し、店で提供する他、自家焙煎豆の販売をしています。朝9時頃から準備を始めて10時に開店。店を始めてから規則正しい生活になりました。焙煎は店を閉めてから行っていますが、定休日にしていることもよくあります。定休日といっても、結局、普段できない店のことをしていますね。自営業ってそういうもので、休みといいながら休んでないことが多いと思います。

コーヒー店を開くには

食品衛生管理責任者の資格と食品営業許可があれば喫茶店を営業できます。うちの場合は、飲食店と菓子製造業の営業許可を取りました。
 

はじめての職場は京料理屋

実家は左官業を営んでいましたが、子どものころの夢はパイロット。視力が悪くなったのであきらめましたが、かなり本気でした。
高校卒業後に就職した職場は京料理屋です。ケーキの専門学校に進みたかったのですが、父に、家業を手伝わないなら、日本料理なら認めても良いと言われ、父の伝手で京都でも名の通った京料理の店で働くことになりました。今思うと、父の趣味が釣りだったので、自分で釣った魚を出すような店を持ちたかったのかもしれません。 家を出れば自由だと思ったのは甘かったですね。もともと日本料理を志していなかったこともあり、あまり向上心がなかったので、店のためにもならないと思い、2年で福井へ帰りました。ようやく野菜を触らせてもらえる頃でしたね。

それから家業を20年

実家に戻ってからは、家業の左官業を手伝いました。仕事は小さいころから見ていましたし、建築も嫌いではなく、職場は円満。転機は20年後にやってきました。父が転職することになって、家業を継ぐ気があるのか聞かれました。あの頃は建築業がよくなかったこと、特に借金もなく今なら止められると判断し、継がないと決めました。

移動販売はじめます

自由の身にはなりましたが、手に職があるわけでもなく。やっぱり飲食業に就きたいと面接に行くと、35歳を超えていたからか、年齢的にも体力的にも今からやるのは大変だからと雇ってもらえませんでした。
雇ってくれるところがなければ、自分でやろうと決意しました。今思えば浅はかだと思いますが、資金もないし、店を出すよりは簡単だろうと、移動販売をすることにしました。当時、福井で移動販売車はまだ少なく、相談に行った保健所も移動販売車の営業許可を出した前例がない状況で、担当の人と相談しながら進めていきました。

ケバブはじめました

移動販売にケバブを選んだ理由は珍しかったからです。インターネットで見つけた東京のケバブの店に通って、店の人と話すうちに、東京で働かないかと誘われたり、いくらでも覚えていくといいと言ってもらえたり、最終的に材料を卸してもらえることになりました。
移動販売を始めてみて、イベントのときは別として、福井は人の集まるところが少ないこと、車を停められるところが少ないことに気づきました。スーパーマーケットの入口付近が定位置になりますが、ケバブやクレープでは人形焼きやたこ焼きに負けることがわかりました。人形焼きやたこ焼きは入り数も多くて家族や友人とシェアできますが、ケバブやクレープは単品で値段もそれなりなので負けてしまいます。ケバブの知名度の低さにも苦戦しました。
移動販売だけでは難しいと思い、福井市の居抜き物件にケバブの店を出しました。イベント時は移動販売車で、それ以外は店で営業。あやしい雰囲気の店にしようと、周りの店もあやしげな雰囲気のところを選んだせいか、なかなかお客さんが来なくて困りました。でも、ALTの先生をはじめ外国人はよく来ましたね。海外ではケバブは知られているようで、福井でケバブが食べられる店と口コミで来てくれていました。

クレープの移動販売に転身

イベントでよく一緒になるクレープ屋の社長に、なかなか上手くいかないと相談していると、うちに来いと誘われて、ケバブからクレープへ転身しました。クレープ屋はフランチャイズで5年しましたね。芦湯ができてからは、湯のまち広場でも営業を始めました。

自分の店を構えよう ~コーヒーにはまる~

移動販売をしながら、自分の店を持ちたいと思うようになって、いろんな店を見て回りました。
最初は、福井市のたい焼き屋のような一丁焼きもいいなと思い、物件を探し始めました。そのたい焼き屋さんではコーヒーも出していて、コーヒーも良いなと思い、コーヒー屋を回るうちにコーヒーの奥深さにはまりました。コーヒー屋さんから紹介されるコーヒー屋さんを回る中で、今の師匠と出会いました。師匠は自分より2~3歳下で年も近く、話しやすかった。コーヒー屋をやりたいというと、もうからないからと止められましたが、そこで止めなかった自分に親身になってあれこれと世話してくれました。 

物件さがし

今の場所に決める前には、JR芦原温泉駅前や屋台村での出店も考えていました。最終的にJR駅前とどちらにするか迷って今の場所にしました。師匠に見に来てもらい、人通りがないから、当初予定していたテイクアウトを主にするよりも、自家焙煎豆の販売もして固定客を増やしていかないと厳しいといわれ、焙煎機を購入。思いがけない出費となりましたが、縁があってこちらに来たんだと思うようにしています。

店舗改装

大人相手の店なので、落ち着く空間になるように意識しました。店内は自分の好きな色、茶色をベースにしました。珈琲の色ですね。
全部自分の好みです。インテリアは昔から好きで、高校のころから自分の部屋をさわるのが好きでした。中には、同業者からいただいたものもあります。
店のあちこちにいるパンダ(グッズ)は、出かけると目にとまって手に入れたり、友人がくれたりしているうちに、かなり集まりました。ユコちゃんとパンダが一緒のイラストはウチララさんで購入しましたが、まるで自分の店のために描かれたように見えるくらいぴったりです。

あわらで働こうと思ったわけ

以前、芦湯でクレープの移動販売をしていたときに、あわらは、新しいことに意欲的で、レスポンスが早く仕事がやりやすいと感じたからです。市長も前面に出ていて、県境綱引きのようなことにも参加してくれるところが良いですね。

あわらの魅力

県外の方とお話しできる。お客さまがいろんなところから来てくださるところが魅力です。

県外に出て気づいたこと

京都から帰ってきて感じたことですが。海も山もある。食べ物が美味しい。ゆったりしている。そんなに込んでいない。人がいっぱいいない。友人がいる。ほっとする。生まれ育ったところだから、一番しっくりくる。人間が形成されるときにいた場所というのはそういうものだと思います。
都会に行くと人の多さに疲れるけれど、都会で生まれた人は生まれたときからそれが当たり前。大人になると順応しづらいのかもしれません。都会に生まれて地方に憧れる人もいるし。地方に生まれて都会に行きたい人もいる。人それぞれ。

職場の好きなところ

好きなコーヒーの香りがずっと漂っているところが好きです。店内にいると香りに慣れてしまって、豆を入れた容器を開けるときや豆を引いたときなどしかわからなくなりますが。店に入ってくるお客さんも「コーヒーの良い香りがする」と言ってうれしそうです。
店の内装は全部自分で決めたので、自分の部屋みたいなもので落ち着きます。でも職場環境ってそんなもので、好きじゃないと居られない。一日のほとんどを職場で過ごしているので、職場環境はすごく大事だと思います。
人間関係の苦労もありません。嫁さんとふたりでやっているので、嫁さんとけんかさえしなければ大丈夫。

仕事の好きなところ、仕事でうれしいこと

人としゃべることが好きです。コーヒー屋を始めた今は、自分が煎れたコーヒーを「美味しい」と言ってもらえたらうれしいし、自家焙煎を始めてみると、またうれしさが違います。コーヒーは豆を焼いてはじめてコーヒーになります。自分の手が加わらないとコーヒーにならないから。つくづく、最初にコーヒーを飲んだひとはすごい。ふつうは思いつかないでしょう。

仕事で大変なこと

資金繰り。でも商売はそういうものです。お客さんが来なかったら家賃も払えない。どうしてお客さん来ないんだろう?、どうやったらお客さんが来るのか、いつも考えています。昔に比べたらSNSもあって広めやすいけれど、その分、変な書き込みをされたら終わりです。
「ゆけむり珈琲店」は、カフェではなくコーヒー店です。カフェだったらもう少しお客さんが入りやすいのかなと思う。看板からして珈琲専門店なのでコーヒーに関心のない人は入ろうと思わないかもしれません。グループの中にひとりでもコーヒーが飲めない人がいると、コーヒー店は選ばないと聞いたことがあります。コーヒーだけでスイーツがないと思われているかもしれないですね。
同業者からは、ジュースなど、コーヒー以外のいろんなメニューを用意しておいても、いつのまにかメニューがコーヒーだけになるという話しも聞きます。やっぱりコーヒーを飲んで欲しいですから。

仕事をするときに心掛けていること

飲食業なので、お店も自分も清潔にしておくことを心掛けています。きたないけど美味しいという店もあるけれど、どうしても、どういうところで作られているんだろうと気になって仕方ないので、自分には無理です。

佐々木さんにとって「働く」とは

国民の義務ではありますが、仕事をしないとだめでしょう。遊んでばかりだと遊ぶことに飽きて、仕事がしたくなると思います。生きていく糧を得るという意味でも重要ですね。
せっぱ詰まっていると、負のオーラがお客さんに伝わります。不思議なもので、今月はお客さんたくさん来たからもう来なくても良いやと思っているとお客さんがくる。逆にお客さんこないな、今月苦しいなと思っていると、ますます来ない。という話を同業者でしますね。

佐々木さんのこれから

あわらでコーヒーと言ったら「ゆけむり珈琲店」と言われたい。大野市にあるコーヒー店のように、コーヒー文化を地域に広めたいと思っています。

あわら市へのメッセージ

もっと観光スポットを作って欲しいと思います。芦湯の他にも行くところがほしいですね。温泉街にひやかして歩ける店が欲しい。夜の店ばかりでなく、昼に営業している店。飲食店だけでなく、雑貨屋さんとか。観光客の方からは、次にどこに行ったらいいか、どこでお土産を買えるかをよく聞かれます。やっぱりあわらは観光のまちなので、観光客に楽しんでもらえるまちにしてほしいですね。

これから就職する人へ

苦労はお金を出してでも買えと言いますが、経験したこと、苦労したことが身になります。自分のがまんできる苦労はなにかということ。苦労を苦労と思わない仕事が、自分に合っている仕事なので、いろんな経験を積んでください。
高校生のアルバイトもした方が良いと思う方です。カフェの仕事に憧れてアルバイトを始めてみると、楽ばかりじゃないとわかる。やらないとわからない。接客で身につくものがあるし、お金の大切さも自然とわかるようになる。言ってみれば、お金は苦労の対価です。

店舗紹介

居酒屋まつぼっくり外観
くつろいだパンダが目印!あわら湯のまち駅前です。
店内(入口)
カウンターに並ぶ自家焙煎豆。と、パンダ。
店内(奥)
黒板には奥様お手製スイーツメニュー
珈琲カップ 今回は緑色
今回のカップは葉っぱ色。コーヒーに関する本もそろっています。


 

ゆけむり珈琲店

住所:〒910-4103 あわら市二面第34号38番地1 シャルマンハウス102
電話番号:0776-65-4632
営業日時:月曜日~木曜日、土曜日、日曜日 午前10時~午後7時
定休日:金曜日
Facebook:「ゆけむり珈琲店」で検索してください!

えちぜん鉄道あわら湯のまち駅前、湯の花公園の向かいにある、パンダが目印のコーヒー店です。厳選されたスペシャルティ100%の自家焙煎豆を使用しています。手作りスイーツと一緒にご賞味ください。どのコーヒーを選んでいいかわからない方は、お好みを伝えていただければおすすめのコーヒーをお出しします。
テイクアウトもできますので、湯のまち散歩のお供にどうぞ。
自家焙煎豆をはじめ、コーヒー用品、ゆけむり珈琲店オリジナルグッズの販売もしています。

コーヒーの魅力

全く味が違うところ。コーヒーは、引いた豆の粗さ、珈琲の量、湯の温度、入れ方、お湯の量で味が変わります。正解がないものですが、お客さんが美味しいと言ってくれたらOKだと思っています。
言ってみれば、豆を焼いて引いてお湯を加えるだけの、ものすごく単純だけれど、奥が深いところが魅力。
嗜好品と言われるように、なくてもいいけど、ないとだめなところもまた魅力的です。

スペシャルティ100%

スペシャルティ100%のコーヒー豆とは、「seed to cup」(種からカップまで)と言われるように、コーヒーカップに届くまでの来歴がはっきりわかっているコーヒー豆のことを言います。国、農場、生産者、いつ生産・出荷・輸入されたのかがわかる豆のことです。

コーヒーの入れ方のポイント

  • 現在は、12g、140cc、87度。お店によってそれぞれです。
    店では温度計で使いますが、家でコーヒーをいれるなら、カップに移すと-10度と覚えておくと良いですね。やかんで湧かしてコーヒーポットに移すだけでも温度は下がります。
  • 2杯分だと8g×2=16g。単純に1杯分の倍にすると苦くなります。
  • 挽きが細かいと苦くなる。基本は中挽き。
  • 温度が高すぎると苦くなる。
  • ゆっくりいれると苦くなる。
  • お湯は真ん中に注いで、縁には回さない。真ん中に注いでも周りで吸収します。
    最初は少量を注いで30秒くらい蒸らす。このときよく膨らんだ方が新鮮というけれど、そうでない豆もあります。一概にはいえません。
    泡は雑味になるので、下に落ちないように、注いだお湯が落ちきる前に次のお湯を注ぐこと。
    最初の何十ccが「珈琲エキス」と呼ばれるもので、それ以降に注ぐお湯で濃さの調節をしているようなものです。

美味しいコーヒー

いろんな店を回って、見て、聞いてきたけれど、みんなやり方が違う。いろいろと見て回るのはいいけれど、「自分が何をやりたいのかわからなくなるよ」と言われたことがあります。

ゆけむり珈琲店のスイーツと作り手

スイーツは、もともと菓子店で働いていた嫁さんが担当しています。
お店で出しているスイーツは、マフィンやケーキ(チーズ、チョコ等)が主で、焼き菓子があることもあります。
「本日のマフィン」は、なかなか同じマフィンに出会うことはないのではというくらい、いろんなマフィンを作っていますね。トッピングもあれこれといろいろ手作りしていますよ。
嫁さんと出会ったとき、嫁さんには自分とふたりで働いている姿が見えたそうです。家でも職場でも四六時中一緒ですが、お互いに違うタイプなので、上手くいっているのではないかと思います。

店名の由来

最初はしゃれた名前を考えていましたが、若い客層をターゲットにしないなら、ださいくらいの名前で、覚えてもらいやすい名前が良いと、師匠が命名してくれました。

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