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伊井白山神社本殿

最終更新日 2014年11月26日| ページID 006128 印刷する

概説

伊井白山神社の創立は不詳ですが、内陣にある阿弥陀如来像の背面に「白山大権現 越之前□坂北郡伊井村氏神 寛文五巳年」とあり、寛文5(1665)年に当社がすでに存在していたことは確かです。
この本殿は、正面三間(2.82メートル)、側面二間(1.9メートル)の身舎に3間の向拝が前方につく、入母屋造、柿葺の三間社本殿で、平成14年新造の鞘堂内に鎮座しています。身舎は内陣(後方)と外陣(前方)に分かれています。外陣の正面は虹梁を入れて吹き放しますが、側面、背面は板壁で閉ざされています。身舎の正面から両側面に回る蹴高欄付の縁は切目録で、三手先の腰組で支持されています。身舎柱は丸柱で、内法長押、腰長押で固められ、柱天と外陣正面の虹梁上には禅宗様尾垂木付の二手先組物を置き、丸桁を受けています。正面虹梁の中備えは蟇股です。向拝は角柱で、5級の木階がつき、柱上の組物は出三つ斗です。
当本殿は複雑な建築様式とともに建物全体に施された多種多様な彫刻が施されています。身舎頭貫や向拝正面虹梁の木鼻は龍や獅子、象の丸彫彫刻で、特に脇障子柱の昇り龍、降竜は迫力があります。また手挟は楽奏の天女や鳳凰などを題材にした籠彫、蟇股や脇障子欄間は透彫、側面の板壁などは浮彫りの彫刻、さらに頭貫の表面は紗綾形の地紋彫りとなっています。
当本殿は文化3(1806)年頃の建築とみられ(棟札)、江戸後期から幕末にみられる建築様式をとどめる貴重な遺構です。伊井村は志比大工(永平寺大工)と並んで近世の越前における有力な大工村であり、やはり伊井村の大工が関わった可能性が高いです。

概要

伊井白山神社本殿
指定区分あわら市指定文化財(建造物)
所在地福井県あわら市伊井36字
指定年月日平成14年9月10日
所有者・管理者伊井白山神社

場所情報

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